公開日:2026-10-20 / 最終更新日:2026-10-22
Cloudflare(クラウドフレア)は、世界中のサイトの「前に立って」、速く・安全に届ける会社です。いまは世界のサイトの約4分の1がこの会社を通っていて、サイトを置く場所やプログラムを動かす場所まで貸しています。エムダッシュは、この Cloudflare の上で動かすと一番よく動くように作られています。第3回は、エムダッシュを公開する前に「Cloudflare とは何か」「何ができて、どこまで無料か」を押さえます。
この記事で分かること
- Cloudflare が何をしている会社なのか(たとえ話で)
- Cloudflare でできること9つと、無料でどこまで使えるか
- エムダッシュは Cloudflare のどれを使うのか、お金がかかるのはどこか
Cloudflare とは:サイトの「前に立つ」会社
Cloudflare は 2009年にできたアメリカの会社です。世界の330以上の都市にサーバーを置いています。

サイトをお店にたとえると、分かりやすくなります。
- お店(サイト):あなたの記事や画像がある所
- Cloudflare:お店の前に立つ「受付・警備員・配達網」
お客さん(見に来た人)は、まず Cloudflare の受付に来ます。受付は、近くの倉庫にあるコピーを渡したり(速くする)、怪しい人を止めたり(守る)します。お店の奥まで行くのは、本当に必要な時だけです。

調査会社 W3Techs によると、2026年10月時点で、全サイトの 27.6% がこの「前に立つ」役に Cloudflare を使っています。ふだん見ているサイトの中にも、Cloudflare を通っている物がたくさんあります。
Cloudflare でできること:9つに分けて
最初は「前に立つ」役だけでしたが、いまはサイトを丸ごと置けるところまで広がりました。
| やりたいこと | Cloudflare の名前 | ひとこと |
|---|---|---|
| サイトを速くする | CDN(キャッシュ) | 近くの倉庫からコピーを渡す |
| サイトを守る | DDoS 対策・WAF | 大量のアクセスや攻撃を前で止める |
| 住所(ドメイン)を持つ | DNS・Registrar | ドメインを原価で買える。上乗せ無し |
| サイトを置く | Pages | 作ったファイルを置くだけで公開される |
| プログラムを動かす | Workers | アクセスが来た時だけ一瞬起きる小さな箱 |
| 記事をしまう | D1 | データベース(記事の入れ物) |
| 画像をしまう | R2 | 画像やバックアップの置き場 |
| ロボットを止める | Turnstile | 「私はロボットではありません」の代わり |
| メールを受け取る | Email Routing | 自分のドメイン宛てのメールを Gmail などへ転送 |
エムダッシュで使うのは、この表の Workers・D1・R2 の3つが中心です。ドメインや Turnstile は、あとの回でサイトを仕上げる時に使います。
無料でどこまで使える?
個人のブログや小さなお店のサイトなら、ほとんどが無料の範囲に収まります。2026年10月20日に公式ページで確かめた数字です。
| 部品 | 無料の範囲 |
|---|---|
| Workers | 1日10万回のアクセスまで(1回あたりの計算は10ミリ秒まで) |
| D1 | 保存 5GB まで。読み出し1日500万行、書き込み1日10万行まで |
| R2 | 保存 10GB まで。取り出しの通信料はかからない |
| Pages | 作り直し(ビルド)月500回まで。置いたファイルへのアクセスは無料で回数の制限なし |
| Turnstile | 無料 |
| Email Routing | 無料 |
1日10万回は、1人が1日10ページ見るとして、1日1万人が来ても足りる量です。
有料にするなら、Workers の有料プランが月5ドルからです(アカウントごとの最低料金)。
エムダッシュで、お金がかかるのはどこか
ここが一番大事なところです。
エムダッシュの売りの「プラグインを1つずつ箱に閉じ込める」仕組みは、Cloudflare の Dynamic Workers という部品を使います。エムダッシュの公式ドキュメントによると、これは Workers の有料プラン(月5ドルから)でしか使えません。
無料プランのままでも、サイト自体は動きます。記事を書いて公開することもできます。ただ、箱に閉じ込めるタイプのプラグイン(マーケットプレイスから入れる物)は読み込まれません。
まとめると、こうなります。
- 記事を書いて公開するだけ:無料で始められる
- プラグインを箱の中で安全に使いたい:月5ドルから
私のサイトでは:Cloudflare に置いている
このブログ(teraone.site)も、Cloudflare の Pages に置いています。
使っていて一番助かっているのは、直すたびに「確認用の URL」が自動でできることです。本番に出す前に、スマホでそのまま見られます。お問い合わせフォームも、Cloudflare の上で動く小さなプログラムからメールを送っています。サーバーを1台借りて、ずっと動かしておく必要がありません。
知っておきたい弱いところ
いいことばかりではありません。
- 止まると、たくさんのサイトが一緒に止まる。 2025年11月18日、Cloudflare の中の不具合で、世界中の多くのサイトが数時間見られなくなりました。攻撃ではなく、Cloudflare 自身の設定ファイルの作り方の誤りでした。1社に寄せると、その1社が止まった時に逃げ場がありません。
- Cloudflare から離れにくくなる。 エムダッシュは Cloudflare 以外のふつうのサーバー(Node)でも動きます。ただ、箱に閉じ込める仕組みは Cloudflare でしか使えません。海外のニュースサイトでも「Cloudflare に縛られる」という見方が出ています。
- 無料の上限を超えると止まる。 Workers の無料プランは、1日10万回を超えるとその日はエラーになります。急に人が来るサイトなら、有料プランも考えておきます。
AI に頼むならこう聞く
わからない言葉が出たら、Claude などの AI にこう聞けば大丈夫です。
Cloudflare の Workers・D1・R2 を、プログラミング初心者にたとえ話で説明してください。それぞれ、無料でどこまで使えるかも教えてください。
AI の答えの数字は古いことがあります。料金や上限は、最後に Cloudflare の公式ページで確かめてください。
まとめ
- Cloudflare は、サイトの前に立って速く・安全に届ける会社。いまはサイトを置く所まで貸している
- エムダッシュで使うのは Workers・D1・R2。小さなサイトなら無料の範囲で始められる
- プラグインを箱に閉じ込める仕組みだけは、Workers の有料プラン(月5ドルから)が要る
- 1社に寄せるので、その会社が止まった時のことも頭に置いておく
次回は、手元で立てたエムダッシュの管理画面に入り、最初の記事を1本書いて公開画面に出します。
サイトの引っ越しや、エムダッシュ・Cloudflare での制作のご相談は、お問い合わせからどうぞ。
出典
- Cloudflare の会社概要「Our story」(Cloudflare)https://www.cloudflare.com/our-story/
- Cloudflare の会社概要(Cloudflare)https://www.cloudflare.com/about-overview/
- Usage statistics of Cloudflare(W3Techs。2026年10月の値)https://w3techs.com/technologies/details/cn-cloudflare
- Workers の料金(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/workers/platform/pricing/
- D1 の料金(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/d1/platform/pricing/
- R2 の料金(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/r2/pricing/
- Pages の上限(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/pages/platform/limits/
- Pages Functions の料金(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/pages/functions/pricing/
- Turnstile のプラン(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/turnstile/plans/
- Email Routing(Cloudflare Docs)https://developers.cloudflare.com/email-routing/
- Cloudflare Registrar(Cloudflare)https://www.cloudflare.com/products/registrar/
- Plugin sandbox(EmDash 公式ドキュメント)https://docs.emdashcms.com/deployment/plugin-sandbox/
- Cloudflare outage on November 18, 2025(Cloudflare ブログ)https://blog.cloudflare.com/18-november-2025-outage/
- EmDash 1.0 Challenges WordPress Freedom With Cloudflare Lock-In(Search Engine Journal、2026-09-29)https://www.searchenginejournal.com/emdash-1-0-challenges-wordpress-freedom-with-cloudflare-lock-in/591378/
更新履歴
- 2026-10-20 公開
- 2026-10-22 図とスクショを追加
書いた人:寺延 啓太(teraone) 制作会社さまの外部コーディングパートナー。Figma からのコーディングと WordPress の実装・保守を受けています。